フルマラソンを走った話

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1月31日。

朝も日が昇る前から東京駅にいた。ここから千葉の館山で行われる「館山若潮マラソン」への直通バスに乗るためだ。

6時発のバスに乗るので始発の地下鉄で東京駅へ向かった。

この始発で地下鉄のパターンはちょっと気をつけないといけない事がある。

それは朝早すぎる地下鉄の出口は結構閉まっている事があるという事だ。

地下鉄って出口がいっぱいあるでしょ。防犯の理由か知らないけどメイン的な出口以外はシャッターが降りている事が多い。

なので、時間ギリギリに着いてしまうと、想定していた出口から出られず、遠回りを余儀なくされる事がある。

幸い、過去に山に行く時にその経験があったのでバスの集合時間のかなり前にたどり着いていた。

バスに乗り込む。今このバスに乗っているのは全員マラソン出場者だ。

バスの中2

バス内の会話でやはり地下鉄出口トラップに引っかかって、結局ギリギリで走ったという声も聞こえてきた。これ結構マジで注意。

アクアラインを通り、一気に千葉まで。

実はアクアライン初体験なので、ちょっとワクワクしていたのだが、あいにく通路側の席だったのと、気温差で窓が曇っていたので景色も何も全く見えず。

仕方がないのでふて寝をかます。

バスの中

二時間後、バスはスムーズにスタート会場付近のイオンに到着。

イオンの中にバスで来た参加者用の荷物置き兼更衣室が用意されていた。至れり尽くせりではないか。

とりあえず受付をしておくために荷物を置いて徒歩3分くらいのスタート会場へ向かう。

スタート会場にて受付を済ましゼッケンとシューズにつけるタグを受け取る。スタート会場は千葉の特産品や屋台などが準備していてちょとしたお祭り会場のようになっていた。おのずとテンションが上がる。

屋台感屋台の屋の字をみるだけでテンションが上がる人間としては手当たり次第に手を出したいところだがあいにくスタート前。

今食べると横っ腹がいたくなるのは必至。無料で配布していた焼き芋半分だけを食べて我慢しておく。

スタート前

ゴールした後でいっぱい食べればいいや。

イオンへ戻り、着替える。ゼッケンを着け、靴にタグを付ける。

スタートまで時間はまだあるのでみんな寒くない部屋の中でストレッチをしたり音楽を聞いたりして過ごしている。

おっと、忘れてはいけないのが乳首に絆創膏。

乳首に

これは以前ハーフマラソンに出場した際に服が擦れて乳首から流血するという事態が起こったために学習した事。

今回はフルマラソンの距離なので、何もしないと乳首流血ブリザード必死。一枚だと不安だったので左右二枚ずつ貼っておく。贅沢な絆創膏の使い方。

そろそろ良い時間だろう。スタート地点へ向かうと、続々と人が集まっていた。

スタートは完走予想タイムで区分けされている。僕は初めてで自分がどれくらいの時間で完走できるか分からなかったが、多分四時間半くらいかな~という事でそのタイムの区間に並ぶ。

スタートまでの時間、徐々に緊張が高まって行く。

ふと横を見ると妖怪ウォッチやデビルマンなど、様々にコスプレした人たちが目立っている。

コスプレ昔はコスプレしてマラソン走る人って、ネタでしょ?すぐ棄権するんでしょ?って思っていたが、ところがどっこい。

基本的にコスプレランナーはえてして普通に早い人が多い。

これは普通にマラソンしてる人がただ走るだけじゃなく更なる刺激やモチベーションを得ようとした結果、それをコスプレに見いだした、などの理由らしい。

実際、コスプレランナーが走っていると沿道の応援も盛り上がる。ちょっと焼きもち。

10時。いよいよスタートだ。パンパンと海の方で小さな花火が上がる。

おおっ。なんかそれっぽい!

しかし、前のほうから順番にスタートするのでしばらくこのまま待機。しばらくしてやっと動き出した。

しばらくは遅いペースで団子状のまま進む。二車線の道路いっぱいがコースとして使えるとはいえ、混雑しているので腕が隣の人に当たったり当てられたり。

スタートで沿道には地元の人たちやそれぞれの選手の応援に来てくれている人たちがいて声援を送ってくれる。これは本当に嬉しいしテンション上がる。

団子状のまま、走り続ける。

この日に体調をかなり調節してきたので身体の動きは快調だ。

なんせマラソン前の3日間をあえて走らないノーランデーにしていたので、休足は充分だし、走りたい欲も程よく貯まっているのだ。

この調子なら初めてのフルマラソンでサブ4もいける!と確信した僕は普段走っているより少し早いペースで足を動かし続ける。

一キロ道には1キロ毎に看板が立っているので距離がつかみやすい。

気づけばすでに8kmを過ぎたというのに団子はまだばらけない。団子の中に勝手にこの人はちょうどサブ4くらいの人だな、と目星をつけてその人について行くようにしていた。

館山と言えば海。コースも海沿いの道なのでところどころに海が目に入り気持ちいい。当初の天気予報では雨になりそうだったので、曇りで風のないこの日はとてもマラソン日和だったと思う。

ところが15kmを過ぎたあたりでタイムキーパーと呼ばれる人に抜かれてしまう。この人は一般の参加者ではなく、ちょうど4時間で完走するように走るペースの基準となる人だ。

4時間の人

しまった。という事はこのペースだと4時間切れねえ。僕はペースを上げてタイムキーパーを追い抜き、引き離した。

だいたい5kmごとに給水コナーが設けられている。ドリンクの他にパンや塩、バナナも用意されていた。

なぜか僕は水を飲んだだけで横っ腹がいたくなり苦労した。これは何なんだろう。

ハーフ地点を過ぎる。腕時計のストップウォッチを見ると2時間を切っている。よし、このままのペースでいけば4時間切れるぞ。

なんなら30kmからさらにペースを上げて三時間半あたりを狙うか、くらいにちょっと調子に乗っていた。

しかし、25kmを過ぎたあたりからか。

いままで快調だった足が急激に重くなる。あれっ?おかしいな。

どんどんペースは落ちて行く。

しかし、頑張れば4時間切れるんだ、いや切るんだ、と奮い立たせながらなんとか踏ん張る。

しかし、タイムキーパーに再度抜かれてしまった。ああ、あの人についていかないと4時間切れない。

サブ4に抜かれる

しかし足は動かない。どんどんタイムキーパーの背中が遠くなっていく。

 

・・・心折れた。

もうこうなるとダメだ。4時間きりを諦めた。

諦め多人張りつめていた糸が切れてペースはさらに落ちる。

そうなるともうダメで、なんだか身体もどっと疲れが来たようだ。

30kmを過ぎる。ここでちょっと歩いてみたりする。

ああ、せめて歩く事無く完走してやるという気持ちもあったが、いかんせん足が動かない。

エイドで休む人給水のエイドでもバナナも食べるわ、パンも食べるわでゆっくりしてしまう。

おかげでエイド後しばらくは回復して走れるけどしばらくするとまた足が動かなくなり歩いてしまう。しかし塩って効くね。

35kmを過ぎる。この辺りになると周りも僕と同じような感じになり歩いている人多数。ちょっとゾンビの集団のようになる。止まってストレッチしなおす人も多数。座り込んでいる人もいる。

38km。あと5kmだ。

ゴールが近くなるにつれ沿道の応援の人も増えてきた。

残り3km。

なぜか僕は泣きながら走っていた。

途中で心折れて4時間切りを諦めたふがいなさ。こんなに大勢の参加者がいるのにずっと全員に声援を送ってくれる沿道の人。当たり前にめちゃめちゃしんどい事。でも自分がフルマラソンを走れるようになったんだという嬉しさとか…。

もう何が何だが分からないごちゃ混ぜの感情が一気に出てきてそれが涙となって出てくる。

泣きながら走る人ここからはもう歩かない。ペースは上げれないが、なんとかそのままゴール。

ゴールしばらく動けない。めちゃめちゃきつかった。

せっかくゴールした後の楽しみにしていた屋台も食べれる気がしない。かろうじて無料で振る舞われていた豚汁は食べたけど。

イオンに更衣室に戻って着替えている時に思った。

普段僕は毎日10kmくらい走っているが、あまり長い距離に慣れていない。

そのため25kmを過ぎたあたりで一気に足に来たのではないかと思う。30kmやフルマラソンを走れる身体が出来ていないのだろう。

次は3月に横浜マラソンなので、ちょっと対策しなきゃね。サブ4の壁

 

そういえば途中で原人のコスプレの人に抜かれたけどビーチサンダルだった。

原人