キナバル山に登った話_プロローグ

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●夏休みの行き先

僕の勤めている会社では、大人になっても夏休みという嬉しい制度がある。

各自、自分のタイミングで一週間ほど休めるわけだ。

毎年それなりに過ごしていたが、今年は特にこれといった予定もなくどうしたものかと思案していた。

やりたい事、行きたい所…。色々あるけれど…。

思いつくのはやはり山へ行く事だった。

長い休みでないと行けない山がある。できない事もある。

東北や北海道の山はどうだろう、北アルプスや南アルプスを縦走しようか、それとも黒部のあたりをゆっくり歩こうか。そんな事を考えていた時、ふと「海外」というキーワードが頭に浮かんだ。

以前、海外の山について色々と調べた事があって、その中でも比較的登りやすいと言われるマレーシアのキナバル山は頭の片隅にあった。

キナバル山はクライミングなどの特別な技術も不要、雪も降らないので冬山の知識・技術なども必要とせず、ある意味スニーカーでも登れる山と言われている。まさに海外登山の入門編と呼ぶにふさわしい山である。

キナバル山の標高は4,095.2m。富士山が3,776mなので富士山より約320mほど高い。

富士山はすでに登っているのでそれよりも高い山に登ってみたい。上の世界を見てみたい。

一旦そう思うと、ムクムクと湧きでてきた欲求が抑えられない。

うん。決定。俺、キナバル登る。

そうしてキナバルに照準を絞ったのが7月の初旬あたり。9月に入ると仕事の関係で休みづらくなりそうだったので行くのは8月の終盤と決めた。

 

●ある意味で初海外旅行。

さて、夏休みにキナバルに登ると決めたはいいが心配な事があった。

それは、僕がまともに一人で海外に行った事がない、という事だ。

海外自体に行った事は何度かある。思い出してみるとイタリア、韓国、バリ、グアムの4カ国か。

それだけ行ってるのに「まともに」と自分で言っているのはこれらすべてツアー、もしくは同行者がすべて手配してくれ、導いてくれた旅、という事だ。

そりゃあ、自分では何もしていないのだから楽チンな旅だったのは言うまでもない。連れてかれるままに楽しむだけだった。

しかし、今回は一人ですべてを行う。これってかなり自分的にはハードルが高い事だ。

だって英語しゃべれないんだもの。中学レベルだもの。そもそも飛行機ってどうやって乗るの?っていう所から始まるわけだしね。ちょっと情けないかもしれないがこれが現実。

行くにあたって、海外旅行に慣れている人、何人かに相談してアドバイスや情報をいっぱいもらった。

これはとても助かり、そしてありがたかった。もちろん自分でも色々と調べるのだが、それ以上に気をつけるポイントやマレーシア・ボルネオの情報を得られたのはすごく大きい。

そんな前置きがあり、僕にとって今回の旅の目的は3点になった。

①キナバル山に登頂すること。

…これはまあ、今回の一番の目標。でも無理はしない。

②一人で海外旅行ができるスキルを身につける。

…飛行機の乗り方や宿の泊まり方など、トータルの意味でそのスキルは身に付けておきたい。

③オランウータンやボルネオの動物を見る事。

…これは情報を得ていく中でボルネオの環境破壊の問題を知り、関心を持ったから。少しでも実際に見ておきたい、触れておきたいと思った。

 

●準備でてんやわんや。

まずおこなったのは飛行機のチケットを取る事。これがまあ、なんともよく分からなくて。

できるだけ費用は抑えたかったので、「格安 航空券」のキーワードで調べてLCC以外は考えていなかった。

しかし調べる日によってコロコロ値段は変わるし、燃油サーチャージャーって何よ?別料金なの?なんだかよく分からないけど、もうチケットを取ってしまおうと最終的にはエクスペディアでなんとかWEBから予約した。

これだけでかなり疲れた。こういうのスマートにできる男になりたい。

目的地はコタキナバルという街。なぜならキナバル山は一番近い街、コタキナバルからバスやタクシーで移動してアプローチするのが一般的だからだ。

現在、東京からコタキナバルへは直行便はなく、東京→クアラルンプール→コタキナバルと乗り換える必要がある。

うっ、飛行機の乗り換え。やっかいな事この上ない。大丈夫だろうか。僕に出来るだろうか。

そして、もう一つ大事な事があった。

キナバル山はしっかり入山者が管理された山で必ずガイドを付けないと登れないのだ。これは義務である。勝手に行って勝手に登る事が出来ない。

という事で登るために基本的には完全に事前予約をしておく必要がある。

予約の方法は日本のツアー会社に頼むという手もあるし、直接現地のツアー会社に手配する方法や、山小屋を管理している会社(Sutera Sanctuary Lodges)のサイトから手配する方法もあるはず。ただし、その場合は英語ができないときついし、Sutera Sanctuary Lodgesのサイトから予約する方法はかなりあてにならなくて結局予約ができなかったという話も聞いたので避けた方がいいと判断した。

僕は今回、確実に予約しておきたかったので日本のツアー会社に依頼。

NCT自然と文化の旅さんにお願いした。

http://www.nctravel.co.jp/Kinabalu/

これは正解だったと思う。出発までに日本の方と手続きについて何度かメールでやり取りを行ったがすごく親切丁寧で不安はなかった。また、コタキナバルに到着した日だけホテルの手配も合わせてしてもらった。

 

航空券と登山の予約が完了しやっと一安心。

さて、そろそろ準備するか、とパスポートを何年かぶりに見たところ…

2010年で期限が切れている!あれっ?おかしいな。大慌てで申請に行く。

間に合わないスケジュールでは無かったので事なきを得たが登山の予約にあたってパスポート番号も必要だったので結構焦った。これが出発直前だと思うとヒヤヒヤ。パスポートの期限は確認しておこう。

●スケジュールを立てる。

性格的にあまりがっちりスケジュールを決めてしまうのは好きではない。飛行機関係や登山など確実に決まっている部分以外は行き当たりばったりにした。多分そっちの方がおもしろいから。

立てたスケジュールはこうだ。

8月24日 仕事を終え、23時45分、羽田発の飛行機に乗る。

8月25日 朝6時10分、クアラルンプール到着。9時30分発のマレーシア国内線でコタキナバルへ到着。このとき12時過ぎのはず。

空港からバスかタクシーでコタキナバルの街へ。夕方までに予約してもらったホテルへチェックイン。

8月26日 朝7時15分にホテルへ迎えがくる。9時くらいに登山手続きなど。10時、登山開始。16時、山小屋に到着。その日は山小屋に泊まり。

8月27日 深夜2時30分、登山開始。ローズピークという山頂で日の出を迎える。13時くらいに下山完了予定。ポーリン温泉という温泉が結構近くにあるらしいので寄れたら寄る。その後タクシーかなにかでコタキナバル市内で宿を探し泊まる(決めていない)

8月28日 すべてノープラン。

8月29日 すべてノープラン。

8月30日 ホテルを朝4時30分くらいにチェックアウトし、5時くらいにコタキナバル空港へ。7時10分クアラルンプール行きの飛行機で9時40分に到着。14時30分発の羽田行きで22時30分に羽田空港へ到着の予定。家路へ。

という半分くらいノープランのふわっとしたスケジュールだ。

宿に関してはちょっと調べたらコタキナバルにはピンキリに無数の宿があったので全く心配していない。

●持って行ったもの、装備。

念のため、僕が持っていた装備も書いておこう。ちなみにキナバル山の気温は中腹の小屋あたりで5〜10度くらい、頂上は0度になる事もあるという目安。

「登山に関する装備」

・ザック…ドイターの26ℓ。日本では日帰り登山用として使用している。

・登山用の短パン、Tシャツ。これで登ったが特に問題はなし。

・タイツ…二日目は夜間に出発となるので防寒として。あってよかったと思う。

・レインウェア…必須。というかこれはないと致命的になる。ガイドさんは傘のみだったけど。ザックも覆えるポンチョタイプの方が便利かもしれない。

・長袖シャツ…薄くて暖かいもの。結果、山小屋でも飛行機の中(寒いので)でもこれで充分だった。

・ダウン…思っていたより寒くなくて結局着なかった。しかしあるにこした事はない。

・靴…トレラン用のシューズで大きな問題は無し。靴の替えを持って行くのが荷物になるので山以外でもそのままこの靴で通した。しかし雨が降る事を想定して防水である方がもちろん良い。

・ヘッドランプ…必須。二日目の登りはすべて暗闇の中を進むので。

・ニット帽的なもの…防寒としてあれば快適。なくても何とかなる。

・タオル…使わなかったがある方が良い。

・水…手続きをするキナバル公園本部でも売っている。最悪そこでゲットしないと小屋まで水を得れないので必須。

・一眼レフカメラ…カメラバッグはパーゴワークスの物を使用している。ザックと一体として取り付けられるので負担がかからずいつも重宝している。

・トイレットペーパー…あると何かと安心。何かと…。新品ではなく半分くらいの量にした物を芯を抜いてつぶして持っていけばそれほどかさばらない。知恵袋。

・お菓子とか…今回は日本から持っていった羊羹と現地で買ったなぞのチョコだけにした。

登山に関してはそんなところ。食事は初日の昼はお弁当が用意されていたし、夕食・朝食は山小屋で出してくれるので何も準備はしていなかった。コップも不要。

持っていた方が良かったかな、というのはストックかな。(杖みたいなやつ)

荷物を増やすのが嫌で悩んだ末に持っていかなかったが、僕は普段の登山でもストックを使う派なので合った方が楽に登れたはず。

 

「旅に関しての持ち物」

・パスポート…もちろん。

・航空券…今回は航空会社がエアアジアだったのでプリントアウトしたもの。

・財布…一応ダミー財布とホントの財布の二種類を持っていた。ダミーには小額のお金だけ入れ、もう一つの方にクレジットカードなどを入れていた。

・クレジットカード、現地のATMで下ろせるカード…特に大きな買い物はしなかったのでクレジットカードは使わなかった。ATMカードは便利だった。

・腰に巻くタイプのポーチ…これにパスポートやもう一つの財布など大事な物を常に肌身離さず身につけていた。

・各種証明書のコピー、証明写真…パスポートを紛失した時などにいるはず。

・スマホと充電器…スマホはパケ死を防ぐためローミングの設定に注意。僕は今回すべてホテルなどのフリーwifiだけでネットをつないだ。

・スマホの外部バッテリー…合った方がいい。

・電源変換アダプター…マレーシアは三穴のBFという種類が必要。電気店などで千円以下で売っている。日本であらかじめ買っていく。変圧器は不要。

・薬…目薬、正露丸、絆創膏、虫除けクリーム、糖尿病の薬を持参。糖尿病の薬が空港のセキュリティーで突っ込まれたけど特に問題なかった。インシュリンだといろいろと手続きが厄介らしい。正露丸は瓶ごともっていく必要はないので少量をラップにくるんだ。

・歯ブラシ…うん。歯ブラシいるよね。

・着替え類…下着も含めホテルで洗うつもり、もしくは現地で買うつもりだったので最小限に抑えた。

・ガイドブック…地球の歩き方を持参。タクシーで行き先を示すのにも使った。

・ビニール袋…脱いだ衣服とかを入れたり。

・小さいノート…いろいろとメモをしていた。

 

装備に関しては、だいたいこんな感じだ。一眼レフカメラが正直一番かさばるのだがそれも含めて往路はすべて26ℓのザックに突っ込む事ができた。多分かなり軽装な方ではないかとは思う。

しかしザック一つに抑えた自分を褒めたい。

次回はいよいよ出発!

 

主にツイッターにいます→@kenihare 無言フォロー嬉しいです。


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