キナバルに登った話③_8月27日

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深夜1時半。

目覚まし時計はセットしていたが、すでに起きている人たちの廊下を歩く音で目が覚めた。

よく眠れた。体調は特に問題はない。頭痛も全くない。うん。高山病の症状は全くでていない。

下のレストランへ降りるとすでにたくさんの登山者が食事を取っていた。

img_8294昨日の豪華な夕食に続きこの朝食?夜食?もビュッフェ形式で食べ放題だ。とはいえ、さすがにこれから山頂まで登るので控えめにしておく。

%e6%9c%9d%e3%81%94%e9%a3%afうん。全然控えれない。

食事を早めに済ませて2:45分にガイドさんと合流する。

僕が背負ったザックをガイドさんが後ろから持ち上げて「heavy」と笑う。

山頂に登った後もう一度この小屋に戻ってくるので不要な荷物は置いていっても問題はない。しかし僕の場合はそもそも不要な荷物もほぼ持っていなかったのでまったく昨日と同じ装備だったからだ。

「heavy」と言われたがいつものテント泊の時の荷物に比べればすこぶる軽い。

では行こうか。小屋の外に出る。幸運にも雨は上がっている。僕は自称晴れ男なのだ。

%e5%a4%9c%e9%81%93%ef%bc%91道はもちろん真っ暗なのでヘッドライトを点灯する。

足元以外は見えないが問題はない。夜に歩くのってなんかドキドキして楽しい。

小屋を出るとすぐに整備された階段が続く。上が見えないのでなかなかしんどいが適度に渋滞しているのでペースは遅い。

渋滞の理由は、山頂で日の出を迎えるために皆、必然的に同じ時間に出発となるからだ。

しかし富士山のような混みようではないし、鎖場で順番待ちをしているわけでもないのでゆっくりのペースで歩みは進む。

%e5%a4%9c%e9%81%93%ef%bc%92暗闇の中をひたすら登る。

雨は降っていないとはいえ、雲は空を覆い尽くしているみたいだ。

空を見あげるとなんだか月がやたら近く感じる。

三日月が煌々と輝いていた。

登りながら何か違和感を感じている。なんだろうこの違和感は。

ああ、そうか!形だ!三日月の欠け方が違うんだ!

%e4%b8%89%e6%97%a5%e6%9c%88%e5%bc%95%e3%81%8d

%e4%b8%89%e6%97%a5%e6%9c%88%e3%82%a2%e3%83%83%e3%83%97アップにすると分かるだろうか。

僕が普段日本で見ている三日月って横が欠けているはず。

でもこの三日月は上が欠けているんだ。

月が笑っている。

驚いてOさんにその事を伝えると、

「あ、ああ、そうだね」となんだか素っ気ない。

まるで何をそんなに驚いているの?という態度だ。

そうか、Oさんは普段シンガポールにいるからこの三日月が普通なんだ。(という事に気づいたのは帰国後)

地球上の見る位置によって月の欠け方も変わるのか。ちょっとこれは知識がなかったから衝撃だった。

 

どれくらい登っただろうか。眼前にうっすらと小屋のような物が見えてきた。

きっとこれが話に聞いていたIDカードチェックの関門だろう。

%e9%96%a2%e9%96%80%ef%bc%92一人ひとりちゃんとチェックを受ける。途中でIDカードを紛失したりするとマジでここを通してくれないと聞いたが本当だろうか。無慈悲。

ここでちょっと一休み。

この先の距離感もよく分かっていなかったので念のために羊羹を口に入れておく。するとガイドさんから目線で合図。どうやらもう出発するみたい。ちょっと待って。まだ口の中に羊羹が。

おっ、なんか急に道が岩盤に変わった。しかし暗闇で視界はすぐ目の前しか無いので地形が分からない。

%e5%b2%a9%e3%81%ae%e9%81%93少し前まで降っていた雨で岩の道はつるつるとよく滑る。

%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%83%97 そうしているうちにロープが現れたので、捕まりたどって登る。

しかし、ロープに頼らないと登れないかというと別にそうでもなかったり。鎖場でもできれば鎖に頼らない方が身体が安定する事の方が多い。なんだか微妙な道が続く。

%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%83%97%e3%82%92%e3%81%9f%e3%81%a9%e3%82%8bしばらくロープをたどり登っているとやがて広けた場所に出た。

 

立ち止まってふと上を見上げると…

 

満点の星空。

 

雲がすっかり晴れている。

気づくと周りの登山客もきらめく星空に足を止め見惚れている。

この星空は残念ながら三脚を立てて星を撮る時間もなかったので写真はない。

でもこの星空はしっかりと頭に焼き付いているから別にいいのだ。

%ef%bc%93%ef%bc%99%ef%bc%92%ef%bc%99m おお、気づくと既に富士山の高さを越えてた。

この時、一緒に登っていたOさんは富士山より高い場所に来たという事でなんだか凄く嬉しそうだった。

僕も嬉しかったがしかしまだ頂上ではない。

%e7%9c%8b%e6%9d%bfLow’s Peakって書いてあるところが頂上。ふむ、あと1kmを切ってるんじゃないか。

もうちょっとだ。相変わらずつるつると滑る岩の上をロープをたどり登って行く。

登る。ひたすら登る。

%e6%b7%b7%e9%9b%91ん?なんだか急に混雑してきたぞ。

暗闇だから距離感がよく分からなかったが、どうやらもう頂上の真下についているみたいだ。

%e9%a0%82%e4%b8%8a頂上に到着!感慨深い。これでマレーシアまで来た甲斐があった。

この看板付近はとても狭いが、やはり皆写真を撮りたいのでかなりの混雑に。

混雑を避けるために少し離れて夜明けを待つ事にする。

やはりこの標高になるとちょっと寒い。いや、かなり寒い!

インナーをもう一枚着込もうかとザックをあさっているうちに…

%e5%a4%9c%e6%98%8e%e3%81%91%ef%bc%91ふわあああー!夜明けきたー!ちょっと待ってー!まだ準備が出来てない!

ピンクとオレンジと紫に広がって行く雲海に眼を奪われインナーを着込むのも忘れて空をぼーと眺める。

%e5%a4%9c%e6%98%8e%e3%81%91%ef%bc%93いたる所で歓声が上がる。

%e5%a4%9c%e6%98%8e%e3%81%91%ef%bc%92泳いでいけるよ。これ。向こうまで。

rapyuta下に見える光はまだ頂上についていない人のヘッドライト。

%e5%a4%9c%e6%98%8e%e3%81%91%ef%bc%95ああ、空けるのか。空けてしまうのか。

日の出のグラデーションなんてホントに数分の短い時間だ。

でもこの短い時間のためにここまで来たんだと思うと言葉も出ない。きっとその価値がある。

 

やがてすっかり夜は空ける。明るくなると段々あたりが輪郭を持ってくる。

%e7%a9%ba%e3%81%91%e3%81%9f%ef%bc%93頂上はこんな感じ。かなり混んでいる。これも明るくなったから分かる。

%e7%a9%ba%e3%81%91%e3%81%9f%ef%bc%91もし行く事があるなら頂上から少しだけ下がって自分だけの特等席を見つけるのがおすすめ。頂上は居場所がない。

%e7%a9%ba%e3%81%91%e3%81%9f%ef%bc%92さて。夜明けもしっかり堪能したし、思い残しはない。後は安全に山を下るのみだ。

%e4%b8%8b%e3%82%8a%ef%bc%91登っている時は全く分からなかったのだがこんな道だったのか。

%e4%b8%8b%e3%82%8a2雲海は本当に素晴らしい。

%e5%b8%b0%e3%82%8a%e9%81%93しっかり眼に焼き付けとこう。うん。

kudariなんだか不思議な光景。壮大。

%e3%81%99%e3%81%90%e6%9b%87%e3%82%8bなんて思っているとすぐに天候は悪くなる。

%e4%b8%8b%e3%82%8a3この岩場はもちろん下りの方が滑りやすい。

僕も三回ほどつるんと滑りお尻が痛くなった。ちなみにガイドさんも滑ってこけていた。

%e5%b0%8f%e5%b1%8b%e3%81%ab%e5%b8%b0%e3%82%8b下りはあっという間に小屋まで戻ってきた。時刻は朝の9時過ぎ。そうか。まだそんな時間なんだ。

%e6%9c%9d%e3%81%ae%e9%a3%9f%e5%a0%82なぜかまた食事が出る。

%e3%81%95%e3%82%89%e3%81%ab%e9%a3%afパンケーキを!パンケーキを!本当はホットケーキって言いたい年頃。

なんだろう。これが本当の朝食?

しっかりと食事を堪能した後、先に下るSさんとの別れのときがきた。

三人で連絡先を交換しSさんを見送る。

よし、自分も荷物を整理しないとな。

%e3%83%99%e3%83%83%e3%83%89快適でした。お世話になりました。

%e4%b8%8b%e3%82%8a%ef%bc%95 ひょいひょいとスピードを上げて下って行く。%e4%b8%8b%e3%82%8a%ef%bc%96登りは雨だったから見えなかったけど素晴らしい景色。

%e6%a4%8d%e7%89%a9何の花だろう。植物のこともっと勉強してからくれば良かった。

%e6%ad%a9%e8%8d%b7ちょうど小屋まで荷物を上げる歩荷さんとたくさんすれ違った。歩荷さんは若い学生みたいな人が多かった。

%e3%82%b4%e3%83%bc%e3%83%ab%ef%bc%91 この階段を登りきればゴールだ!

%e3%82%b4%e3%83%bc%e3%83%ab%ef%bc%93無事に到着!なんだか嬉しメッセージが書かれてるじゃないか。

これくらいの英語はなんとか分かるよ。

%e7%8c%abそのへんにいた猫も「まあ、おつかれさん」とでも言いたげな顔で出迎えてくれた。

これで今回の旅の目的の一つは無事に果たした。後はゆっくりとコタキナバルを楽しもう。

 

 

 

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