ヒッチハイクした話

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ヒッチハイクをした事がありますか。ありませんか。そうですか。

僕はありますよ。

昔、電波少年というテレビ番組で猿岩石がヒッチハイクで旅してたアレですよ。

別にアメリカを横断してたとか、夏休みで変にテンション上がってヒッチハイクしようぜ!となったわけでもない。

では、なぜヒッチハイクをする事になったかご説明します。

 

雲取山と温泉

あれは2017年1月のこと。

勝手にホームマウンテンと呼んでいる雲取山へ登った。

ルートは以下の通りだ。

マップ1

この日は、鴨沢という所から埼玉県秩父の三峰神社へ下山するという日帰り登山が目的だった。なんと三峰神社には神社境内に温泉があるのだ。下山後は温泉に浸かり美味い物を食べた後、バスで秩父駅まで。そして特急で東京へ帰るという完璧な計画だった。幸せの予感しかない。

山は当たり前に楽しかった。

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といわけでやってきました。奥多摩。

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バスを降りた登山口では各々登る準備をしている。

いつもの事だが僕は出発地点で何となく一服したり準備運動をモタモタするので出発は遅い。だいたい皆がいなくなってから出発するはめになるのが常だ。

さて、今回は登山自体は全く本筋ではないのでザーと写真だけで流します。

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登山開始。登山口でも少し雪がある。

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木漏れ日って素敵。

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ぐいぐい一定のペースで登って行く。

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そろそろ雪道となってきたのでここらで軽アイゼンを装着。

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軽アイゼンは使い勝手がすごく良いので好き。

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軽い氷爆。

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ちょうど楽しい積もり具合。

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尾根に出る。

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尾根道からは富士山も見える。

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テントの人もいる。

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お昼はカップラーメン。

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気持ち良いんだ。これが。寒いけど。

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と、まあ天気にも恵まれ最高だった。登山はすこぶる楽しかった事は言うまでもない。

本題はここから。

スケジュールとしては昼ご飯を食べた後、頂上を経由して三峰神社へと下山する予定だった。

 

しかし早めに秩父神社に着かないと温泉に入る時間が少なくなってしまう。そう思い頂上すらパスして雪の道をひたすら下った。

やっと三峰神社に到着した時はすでに真っ暗になっていた。雪道に思いがけず時間をロスしたのだ。時刻はすでに18時を回っている。

まずいな。これじゃ帰るのがギリギリで温泉に入れないや。まあ、仕方ないか。

神社についてまずは最終のバスの時間を確認しておく。

え〜と、最終のバスは・・・

16時半だと・・・

ん?

これ、もしかして帰れない・・・?

何で18時台が最終だと思っていたんだろう?何でバスの時間を確認していなかったんだろう?

油断の一言に尽きる。何回も来ているからという安心感と思い込みが招いた結果だ。

ベンチに腰をおろし途方にくれる。落ち着け。下山はしてるんだ。

神社の売店もとっくに終わり真っ暗になっている。温泉施設に泊まれたっけ?一か八か行ってみるか?

いや、幸いまだ18時すぎだ。なんとかなるだろう。歩いて駅まで頑張ればいけるんじゃないか。いや、行ける行ける。というか帰りたい。寒い。一月だから当たり前だ。

そうしてトボトボと歩き始めた。

この三峰神社。実はかなりの山奥にある。一度秩父駅からバスでこの神社に来た時余裕で一時間以上かかったような記憶が・・・。

いや、いける。信じろ。さっきまで10時間以上山を登って下ってきたんだ。それに比べたら余裕だろう。

街灯なんて全くないので真っ暗な道路を歩く。

1時間が経過。

スマホのバッテリーが切れた。これで最悪タクシーを呼ぶという連絡手段も途絶えたわけだ。

2時間経過。歩き続けている。

もうスマホで地図も見れないのでどのくらい駅に近づいたのかも分からない。しかし真っ暗な道路を歩いているという状況だけは全く変わっていない。自販機すらない。

ああ、星がめっちゃ綺麗だ。いやいや、そんな場合ではない。

この感じではきっと終電にも間に合わないだろうな。秩父の街までたどり着けばビジネスホテルやコンビニ、もしかしたらファミレスもあるかもしれない。それでなんとか始発まではしのげるだろう。

それにしてもホントに真っ暗だ。頼りはヘッドライトだけ。

朝から歩きっぱなしなので脚がかなりきつくなっている。しかし一月の夜だ。休憩で止まるとあっという間に体温を持っていかれるので無理して歩き続ける。

3時間経過。街の光も全く見える気がしない。まだまだ山の中だ。

・・・きつい。・・・帰りたい。布団に入りたい。お腹減った。

ここに来てヘッドライトの光が随分弱くなっていた。電池が街まで持たないのは明白だ。灯りがなくなったらちょっと絶望的じゃない?

日帰りの用意なのでテントはもちろん、ビバークできるようなものも持っていない。

・・・あれ?これかなりやばくないか?もしかして遭難じゃない?

どうしよう。無事に下山したのに。道はアスファルトなのに。

ここに来て初めて命の危険を感じた。なんだかんだ言ってもう下山してるんだし、なんとかなるでしょという甘い気持ちがどこかにあった。

しかし、ホントに切羽詰まった。もう後がない。

腹を決めた。こうなったら最後の手段だ。

ヒッチハイクで街まで乗せてもらおう。

この道、なぜか30分に一台くらい車が通るのだ。

しかしヒッチハイク経験なんぞ皆無。シャイシャイボーイなのでなんか抵抗もある。しかし本当にもうそんな事を言っている場合ではない。命がかかっているのだ。

車が来た。

親指を立てて合図をしてみる。

スルー。

そりゃそうだ。こんな夜中に山の中でヒッチハイクしてるやつなんざ見ようによっては怪談だよ。語り継がれるよ。

車がこない間は歩き続ける。

来た。二台目。

スルー。

これ、ダメなんじゃねえかな。朝になってカチカチになって発見されるパターンじゃないかな。

三台目スルー。

だめか・・・。

来た。4台目。

ヘッドライトを頭から外して手に持ち振る。

 

 

必至だった。なりふりなんて構っていられない。

しかし、スルー。

 

 

・・・ではなかった!止まった!車が止まったのだ!

慌てて駆け寄る。

窓が開く。車に乗っていたのは若い男性が二人と女の子が一人。

「あ、あの、俺っ、バスがっ、乗り過ごして!街までっ!秩父までっ!」

寒くて口がかじかんでいるのと車が止まった嬉しさのあまり上手くしゃべれない。

「ああ、はい。どうぞ。乗ってください。」

天使。秩父に天使がいた。

「俺ちょっと汚れてるけど大丈夫?」

「あはは。大丈夫ですよ」

かくして僕は助かったのだ。

拾う神はあった。

駅まで送ってくれるという好意に甘えた。

なにやら大学生三人組で暇すぎて何となく夜の神社に行ってみようぜー!と三峰神社に来たという事。しかも横浜から。その暇バイタリティに救われたのだ。

行きにトボトボ歩いている僕を見かけていたらしい。こんな時間にこんな山の中を歩いている人間なんている訳がないと車内では幽霊扱いになっていたらしい。本当に怪談になるとこだった。

彼らは神社に行ったはいいが、結局真っ暗だし神社内に入らなかったそう。その帰り道で僕がヘッドライトを振っているのに気づいたという事だった。

彼いわく、ヘッドライトを振ってくれてなかったら絶対気づかなかったですよー。との事。良かった。電池が切れる前に決断して。

歩いて駅まで行こうとしていたと言ったらビックリしていた。

僕を乗っけてくれた場所から車でも街までは遠かったからだ。

「ヒッチハイクしたの初めてだったよー。本当ありがとう。マジ命の恩人!」

「いやー、僕もヒッチハイクしてる人乗せたの初めてですよー」

そうだろうな。そうそうヒッチハイクする人に出会う事もないだろうし。

無事に終電に間に合う時間で駅に着き大学生に心ばかりの謝礼と厚くお礼を言って分かれた。

しかし何事も慣れた時が危ないとは良く言ったものだ。

どんなに慣れた山でも帰りのバスの時間はしっかり調べとこう。

まさか街で遭難しないように。

 

帰って実際僕がどの辺りにいたのか、駅まであとどれくらいだったのか調べて腰を抜かした。

引いてみよう。

絶対歩ける距離じゃない。

 

 

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