秋旅 カンボジア② 〜アンコールワット〜

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早朝4時すぎ。

ホテルの人たちを起こさないようそうっと部屋を抜け出す。

自転車は昨夜取り出しやすいところに止めておいた。

街灯もまともにないのであたりは真っ暗。プーカドゥン用に用意していたヘッドライトがこんな所で役に立つとは。

道に出るとこんな時間でもトゥクトゥクがいたりする。アンコールワットの日の出に合わせて出かけるお客を待ってるのだ。

暗い街中を漕いで行く。今度は道を間違えていないはず。お尻はまだ少し痛い。

自転車は涼しくて気持ちいいがやはり段の切り替えがうまく出来ず無駄にしゃかしゃかとペダルを漕いでいる気がする。

同じく日の出を見に行くトゥクトゥクやタクシーがバンバン僕を抜いて行く。

平坦な道がずっと続くし、この道はでこぼこしていなく走りやすくて助かる。

ウェルカムセンターってなんだろう。でも、このまままっすぐ行くだけでアンコールワットに着くはずだ。

ひたすら自転車を漕ぎ続ける。

そろそろ半分くらいたどりついたかな?というところで建物が見えた。看板を見るとチェックポイントと書いてある。

そこには制服らしき服を来た人たちがたくさんいた。なんだろう?

通り過ぎる時にストップ!と自転車を止められ何かを話しかけてくる。

どうやら「チケットを持っているのか?」と言っているようだ。

この時点で僕はかなり怪しんでいた。どうせ入場料だとか言ってだましてお金だけとろうとしているのかと疑っていたからだ。

「チケットはまだ買っていない。アンコールワットの入り口で買うつもりだ」

というとノー!ノー!自転車のハンドルをがっちり抑えられる。なんだなんだと他の制服たちも集まってくる。あっという間に5、6人に囲まれる事に。

そんな状況でも相変わらず僕が言うのは「チケットは持っていない」

たくさんの制服達が一気に話しかけてくる。ただでさえ英語分かんないのにそんないっぺんに話されたら余計分からない。聖徳太子じゃねえんだから。

しかしよくよく聞いてみるとチケットがないとここから先は進めないらしい。

落ち着いて周囲を見回すとこの人たちちゃんと同じ制服を着ているし、建物もきちんとしている。どうやら騙しているのではなくオフィシャルの人か。

「でもチケットは入り口で買うんじゃないの?」

「チケット売り場はここから戻って右に曲がったセンターでしか売っていない」

ふえっ!?そうなの?もしかしてさっきのあれか。ウェルカムセンターか。ってか戻んなきゃいけないの?

今から戻るとかちょっときついんだけど。

若い男が言う「俺のバイクに乗っていくか?5ドルでいいよ」

いや、それちょっと高いよ!

しかし・・・ここはもうそれしか手はないんじゃないか。

ここから戻るのめっちゃ精神的に辛い。それに日の出に間に合わなくなるかもしれない。

しぶしぶ自転車をチェックポイントに置いて、バイクの後ろに乗りこみチケット売り場に向かう事に。

原付の二人乗りなんて何年ぶりだろう。またこの人が飛ばす。気を抜くと振り落とされそうだ。

進んできた道を戻って曲がってかなり進む。おいおい。思ってたよりめっちゃ遠いじゃないか。

そうしてやっとついたチケット売り場。

やたら混んでいる。皆、日の出目当ての人たちだ。

このチケット、譲渡防止のためか顔をその場で撮影して作るので結構時間がかかるのだ。しかし列に並んで待つしかない。

人は多いけど窓口もそれなりにある。

やっとチケットができた。

すぐに運転手の元へ戻る。

このときの僕の気がかりは二つ。

一つは予期せぬ足止めで時間を食ったので日の出に間に合わないかもという事。

もう一つは手持ちのドルが少ない事。昨日の時点で両替しなきゃなーとは思っていた。でも今日は全部自転車移動でそんなにドルを使う事もないかと思っていたのだ。アンコールワット周辺にATMや両替できるところがあるとはちょっと思えない。

財布を覗いて、チェックする。まあ、ギリギリなんとかなるかな。

チェックポイントへ戻る時、背中越しに運転手が言う。

「このままチェックポイントに戻って自転車で行ってももう日の出に絶対間に合わないぞ。あと3ドルくれるならこのままアンコールワットまで行くけどどうする?」

それは正直とても助かる。

しかしアンコールワット以外の遺跡も自転車で色々回りたいからアンコールワットで日の出を見た後、チェックポイントにまた戻らないといけない。

しかし日の出はどうしても見たい。

「オーケー。じゃあアンコールワットまでよろしくー」

 

アンコールワットの日の出

いよいよアンコールワットに足を踏み入れる。まだあたりは暗い。

この入り口でチケットをきっちり確認される。

アンコールワットの中をたくさんの人と一緒に進んでいく。

池の周りがスポットなので皆がそこに向かう。

脇に並ぶのは絵を売っている人たち。

おっ、いよいよ日が昇る。

池に反射して幻想的なアンコールワット。

この日は雲が多かったので想像していた太陽が刺してくるような日の出とは少し違ったけどこれはこれで良かった。

こんな感じでたくさんの人が日の出を見届ける。

お土産にいいかもしれない。

すっかり日も登ったのでアンコールワットの中へ。

ふむ。ダサいなんて言わせない。

 遺跡の中を思ってたより自由に見学ができるのにビックリした。

猿がうようよしているので食べ物やカメラなどを取られないように。

さて、アンコールワットを堪能したら自転車を置いてきたチェックポイントまで戻らないといけない。

入り口にいたバイクに声をかけ乗せてもらう。うう、またドルが出ていく。財布が心もとない。円ならあるのに。

チェックポイントにはすぐに着き、そこからふたたび自転車を漕ぎ出す。

やばい。お尻が・・・めっちゃ痛い。

これはホントにどうにかしないとやばい。せめてクッションを座席にかぶせれるとだいぶ違うのに。

そうだ。肩からかけていたポーチをお尻の下に敷けばなんとかいけるんじゃないか。ペットボトルも入っているしちょうどクッション変わりになるのでは。

いざやってみるとこれが成功。随分お尻が楽になった。

ポーチがずれないように気をつけながら快調に漕ぎ続ける。

ゲームに出てくるような遺跡。タープロム

続いて到着したのはタープロムという遺跡。ここも来たかった遺跡だ。入り口には少しだがお店もある。

どこかへ向かうお坊さん達。

森の中をしばらく歩くと

遺跡が現れる。建物のど真ん中から木が生えているのがわかるだろうか。

外から見えていた木はこれ。

絡み付くタコのよう。

タープロムはなんかもうゲームの世界。今にも得体の知れない何かが今にも出てきそうで。

 

お尻が限界。

タープロムを後にし、次の遺跡に向かっているとなにやら脚が冷たい。ズボンをみるとなぜかビショビショになっている。慌てて自転車を下りて原因を調べる。

ペットボトルだ。中に半分以上水が残っていたのだけど蓋がちゃんと締まっていなかったみたいで漏れてしまったようだ。

ドルを無駄に使いたくなかったので水も慎重にちょこちょこ飲んでいたのが仇となった。

バッグの中ももちろんビショビショ。パスポートは?良かった。違うポケットに入れていたので無事だ。しかしほとんどの物が水浸しになってしまった。

まあ、でもこの気候だ。ほっといてもすぐに乾くだろう。

お尻の痛みをごまかしつつ、次の目的地アンコールトムへ向かう。

アンコール・トムの南大門。

王宮跡は広い。

そして四面の仏像が有名なバイロンへ。

 

ここは上に登れば登るほど狭くなる上に人も多くなるので息苦しくなってすぐに出てしまった。

周辺にもっとたくさんの遺跡はあるのだがどうしても見たかった遺跡はなんとか見れた。

 

そして・・・もうお尻がいよいよ限界だ。ホントにもう無理だ。

このまま街まで自転車で帰るとお尻が二つどころか八個くらいに割れてしまう。八岐のお尻となってスサノオに退治されてしまう。

・・・トゥクトゥクに自転車ごと乗せてもらえないだろうか。

有りなのか。それは有りなのか。

いや、それはやっちゃダメだろう。それで自転車でアンコールワットを回ったと言えるのか!?

なにより自分に負けた事になる。昨日チャーターを断ってまでかっこつけたろう。お尻が痛いくらいで根をあげては男がすたる。

僕はペダルに力を込めた。

 

 

 

 

はあ〜、トゥクトゥクめっちゃ楽。

 

自転車を乗せるのにちょっとめんどくさそうだったが、まあ乗せてくれた。交渉して9ドル。財布に残っていたのは10ドル。ギリギリ。

お尻の痛みにはプライドなんかかなわない。

シェムリアップにたどり着き無事に両替も済ませる。やっと安心。

一旦ホテルに帰りよくわからない歌番組のテレビを見ていたらいつの間にか寝てしまった。

起きたらすでに夜。夕食がてら街をブラブラ。

しかしおっさんが一人で歩いていると歌舞伎町を歩くよりここでは書けないような声をかけられる。まあ、仕方が無いが。

アンコールワットを無事に?回る事ができたので明日はまたバンコクへ戻る。