(映画)星の旅人たちを見た

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何気なく借りた映画が思いのほか良かった。こういう時はすごく得した気がして嬉しいもの。

今回の「星の旅人たち」がまさにそうだったからちょっと紹介したい。

http://www.albatros-film.com/movie/hoshino-tabibito/

あらすじ

主人公、トムは初老の眼科医。めちゃくちゃ仲が悪いという訳でもないが息子(ダニエル)とは日頃いまいちかみ合っていなかったようだ。

しかし、ダニエルは聖地サンディエゴへの旅の初日、ピレネー山脈で嵐に巻き込まれ亡くなってしまう。

トムは息子の遺体を引き取りにスペイン国境近くの町サン・ジャン(ここはフランス)を訪れる。

遺体を確認し、ダニエルの遺品(旅の初日だったからバックパックはそのまま)を引き取りトムは一人息子の事を考える。

トムは何かを決心したかのように息子の火葬が終わり、その遺灰と一緒にダニエルが歩むはずだったサンディエゴへの聖地巡礼の旅に出る。

旅の途中で出会ったヨスト、サラ、ジャックの三人。それぞれに皆何かを抱えて聖地巡礼の旅に出ていた。仲間と一緒に旅をするうちに頑固でかたくなだったトムは何かが変わっていく・・・。

見所

①なんといっても登場人物たちの変化

まず最初にトムが旅を決めるところ。本当は火葬の後すぐに帰国するつもりだった。しかし、担当の警部は何度か巡礼の旅を歩いていて、その話の影響もあってか息子のバックパックを見て過去を思い出す。

息子の気持ちが理解できない親の苦悩を断ち切り、夜中にも関わらず警部を起こし火葬をお願いするシーンが印象深い。

サンディアゴまでは800km。生半可な気持ちで歩ける距離ではない。

今まで二段ベッドで他の巡礼者のイビキなどに悩まされる経験も、野宿なんてする経験もなかったであろうトム。

しかし、旅への強い意志によりトムはめげる事なく歩みを止めない。

続いて三人の旅人。これが三人ともいい味をだしていて惹かれるのだ。

最初に一緒に歩く事になるのはオランダ人のヨスト。太っている彼はダイエットのために巡礼しているのにも関わらず、道中みさかないなく食べている。

次はサラ。常にタバコを手放さない彼女は最初から男性に対して高圧的。しかしそれにももちろん理由がある。

三人目はおしゃべりなアイルランド人、ジャック。作家だという彼は実情はライターだが作家になりたいと思っているが書けなくて悩んでいる。

サラ役の人(デボラ・カーラ・アンガー)がかっこよくてセクシーだなと思い誰だろうと調べたらアレですね。「CRASH」の人なんですね。三人それぞれ少しずつ過去や巡礼の目的などのバックボーンが明かされてそれを知ると、また見方が少し変わってくる。

②道中の自然の美しさ。
これはロードムービーの醍醐味ですね。羊のむれなど牧歌的な穏やかな道が印象的です。

③歴史的な部分と宗教背景

これは見所というより、知っておくともっと深く映画に浸れるかもしれない、という意味で。
様々な人種が旅をしています。僕は下地の知識がなかったのでピンとこなかったのだが

・おつまみの言い方(タパスと言うのか)

・宿泊所での会話

・キリスト教の背景(十字架を背負って歩いている人たち、脳腫瘍の傷跡を隠している神父さんとのやりとり)

・ジプシーの人たちとのくだりなどのシーンはおそらくストーリーの表面的な意味だけでなく、メタ的なメッセージがある気がしました。
知識があるともっと深くて違う見方ができたかもしれないなあ、と。

感想・まとめ

この聖地巡礼、知らなかったのだが俄然興味がわいた。日本で言うところのお遍路さんのようなイメージである。

国籍も違うし、巡礼の目的もそれぞれ。全く他人だった三人が喧嘩しあったり、理解し合ったりしながら目的地を目指す。

人が変わっていく様というのはギャップがあればあるほど心が動かされる物である。

見終わった後、あたたかい気持ちと旅にでたくなる欲求がわき上がる。そんな映画だった。

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