スタートに戻るオムライス

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幼い時、カルピスの永久機関を作ったことがある。

わざとかなり濃いめにカルピスを作る。半分飲んだら水を足してまた飲む。

また半分まで飲んだら水を足す。それを繰り返す。

正確には全く永久機関とは呼べないが、幼い舌にはカルピスの薄さは気にならなかった。これは永久機関だ!!と一人興奮したものである。

カルピスの原液を水で薄めた完成品を「1」としよう。半分飲んでカルピスは「0.5」になる。

しかしそこに水を「0.5」足せばまた「1」に戻る。

何を言っているかわからないだろう。実は僕もよくわからない。

色々矛盾を言いたい気持ちはなんとなくわかる。

しかし「1」に戻るのだ。スタートに戻るのだ。

伝わっているだろうか。

では、オムライスを作ろう。

 

玉ねぎのみじん切りライフハック

材料一式。炊飯器はないのでご飯は鍋で炊いた。

なぜオムライスなのか?

なぜなら先ほどの答えがそこにあるからだ。

なお、ここからしばらくは料理サイト顔負けの華麗にオムライスを作っていく描写が続く。実はまだオムライスを作ったことのないオムチェリーの人はぜひ参考にしてほしい。

まずはチキンライスを先に作る。

今回はハムにした。ハムでもチキンライスと言い切る度胸は生きる上で必要だ。

ハムは小さい四角になるように切ろう。切り方はどうでもいい。縦に切って横に切るだけだ。

さて、次は玉ねぎをみじん切りにする。

ここで、ちょっとしたライフハックを紹介したい。きっとあなたのこの先の人生において役に立つだろうから。

写真の方向に切り目を入れる。

こうなるはずだ。細くすればするほど細かいみじん切りになる。

この時、切りきるのではなく、先端は繋げておくのがポイントだ。包丁の刃先を使うとやりやすい。

次に方向を変えて切っていく。すると・・・

これだけであっという間にみじん切りができる。

これを知っておくとその手際を見た人から賞賛が得られるかもしれない。その時はちょっとだけ感謝してほしい。

以上、さも自分があみだしたかのようなライフハックの説明は終わる。

んっ?涙を止める方法を知らないかって?それはヤフーの知恵袋に乗ってるんじゃないかな。

 

チキンライスを炒める

「素材3年、炒め8年」という言葉を聞いたことはないだろうか。

これは素材をうまく切れるようになるまで3年かかる。さらに、その素材を一人前に炒めることができるようになるまで8年かかるということ。料理の世界の厳しさを表す言葉としてよく使われる。

それくらいの時間を費やさないと習得できない料理というもの。皆が思っているよりよほど奥深いものなのだ。

聞いたことない?そうですか。今僕が思いついた言葉だから無理もない。

では、続けよう。

弱火でじっくりと玉ねぎを炒めていく。

しかし、玉ねぎは不思議だ。そのままだと苦いのに、熱を加える事によって甘みが出る。

初対面は悪人だったが、主人公たちに触れ合っていくにつれ、だんだんいい奴になっていくドラマの登場人物のようだ。※

※最近海外ドラマにはまっていて、そういう奴がでてくるのでその影響の例え。ちなみにいい奴になった後は仲間の犠牲になってすぐに死ぬ。

ハムを加えて少し炒めてから

ご飯を投入。ちなみに冷やご飯の方が絶対うまくいく。チャーハンしかりだ。

味付けは塩と胡椒、僕は味の素も入れる派。

あとはチャーハンを作る要領で。

躍動するフライパン。

ここは腕の見せ所。

炒(チャオ)!炒(チャオ)!

まるでお米の一粒一粒が生きているかのように!

 

大惨事。

 

程よいところでケチャップを入れてさらに炒める。ケチャップは少量ずつで様子を見ながら。

よし完成。べちゃべちゃにならず完璧な仕事をしたと言える。

 

たまごのお布団をかぶせる

これはちょっと自慢なのだが、僕は片手で卵が割れる。

中学生の時、映画で見て「片手で卵を割るとモテる」と気づいた。

そこから長い間、練習し習得した。なお、このおかげでモテたことはまだない。

あっ、殻が入ってしまった。

油を敷いたフライパンに溶いた卵を流し込む。

テレビで本物の料理人がフライパンに落としてからも箸で卵を溶いているのを見たことがある。あれはどういう効果を生むのだろう。あえての「だま」をつくっているのか。

熱が通って固まって来たらOK。性格的にひっくり返したい気持ちがあるがヘラが一つしかないので諦める。

そのままチキンライスの上にライドオン。

「お布団かけの儀」無事に終了。

これにてオムライスが完成。参考になったであろうか。

ふわとろには程遠いが、まあ及第点であろう。

ここで白状する。散々偉そうにオムライスの作り方を書いてきたが、実は15年ぶりに作った。

卵の浮き具合がすごい。

 

スタートに戻るオムライス

皆さんもきっと覚えがあるだろう。

オムライスは食べる楽しみの他にケチャップで何を描くかという楽しみがある。

その反面、センスが問われる場面でもある。

オムライスのケチャップ一つで恋人や家族から羨望、または失望を味わうことだろう。

さて、何を描こうか。

ニューヨークの朝焼けのビル群を描こうか、それともアンディ顔負けのポップアート?

 

悩んだ末がこれである。

ここ最近、投稿コーナーの自由ポータルZに落ちてばかりなのでここらで挽回したい。その願掛けだ。

さて、肝心の味はどうだろう。全く味見をしていないので若干不安ではある。

早速食べてみる。

めちゃめちゃうまい!

パターン的にトホホとなるのが通例になっているが今回は違った。

いや、我ながらよくやったもんだ。これならお金取れる。

うまい、うまいとバクバク食べ進める。

んん?おかしい。

チキンライスの中から何かがのぞいている。

これは・・・? まさか・・・?

そのまさかである。

オムライスの中からオムライス。

そう、「1」に戻ったのだ。スタートに戻ったのだ。

ということは、もう一度魅惑のケチャップタイムが訪れる。

次に描かれるのはゴッホのごとく厚塗りのタッチか、モネのごとく繊細な光の表現か。

 

結果は現代アートだった。

何回食べても美味しい。繰り返されるこの美味さこそがアートなのかもしれない。

食欲は衰えずバクバクと食べ進める。

ここで聞いてほしいことがある。またしても不思議なことが起こったのだ。

 

二度あることは三度ある。

二度目のオムライスを食べ終えると、また新たなオムライスが現れたのだ。

繰り返すオムライス。

バタフライエフェクトというタイリープ映画※を思い出した。

※タイムリープとは、時間をある地点へ遡り繰り返すこと。「時をかける少女」などが有名。

今僕が繰り返しオムライスを口に運ぶ動作によって、もしかしたらテキサスで竜巻を起こすかもしれない。訪れる未来は果たしてハッピーエンドなのか。

3回目のケチャップタイム。実はもう飽きているので雑なかけ方をしてしまった。

ケチャップのかけ方でセンス云々なんていう相手とは距離を置くことをおすすめする。

結構きつい。

ケチャップ以外の味が知りたい。漬物が食べたい。水を飲む量が増えている。人間は無い物ねだりだ。

それでも食べ進める。

ま、まさか・・・。これは・・・

そのまさかだ。

最初のオムレツと比較するとかなり小さくなった。

さすがにこれが最後。

小さくてもきっちりとオムライス。卵のお布団はいつだって僕の心もやさしく包んでくれる。

タイムリープ終わり。ごちそうさまでした。

 

まとめ

すごろくというゲームにおいてスタートに戻されると嫌なものだが、好きな飲み物や食べ物が繰り返されるとそれは嬉しい。

過ぎ去った時は元には決して元には戻らない。しかし、人は何度だってやり直しができるのではないか。

「0.5」になっても「1」に戻すことがきっとできる。それを信じて人はオムライスを食べるんじゃないのだろうか。

永遠に続けばいいのに、と思ったあの時間。すり減らした感情。失った信頼。

それも少しの努力で元に戻せるのかもしれない。

そこにオムライスか、カルピスの原液があれば。

作ったオムライス、なんだかマトリョーシカみたいだなと思った。

 

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