[アフリカ]キリマンジャロ登山⑤ 山頂〜下山

投稿者:

登山四日目。

いよいよ佳境だ。

ジェームスに今日のスケジュールを確認すると、

「ミノール、長い一日になるぞ・・・」

なんて真面目な顔で映画じみた台詞が返ってきた。なんだそれ。僕も言ってみたいぞ。

まず、このキャンプ地を9時くらいに出発。そして夕方までに最終のキャンプ地、つまりベースキャンプとなるバラフキャンプへ。

そこで夕食後仮眠をとり、深夜0時に山頂へアタックだ。

山頂アタックは6時間くらいかかるから今日は、というか明日の朝まで仮眠を除いて歩きっぱなしということになる。

確かに長い一日だ。

朝食にチャパティがあるとやはり嬉しい。

ミロにバカみたいに粉ミルクを入れて飲みまくる。そういえば、ミロなんて飲んだの小学生以来かも。

キャンプ地は夕方もいいけど朝のこの雰囲気も好きだ。

 

崖越えの道

さて、ベースキャンプに向けて出発だ。

昨日、ジェームスが言っていた。

「ミノール、明日のスタートはあの崖をこえていくよ」

崖とはこれのことである。

ジェームスは結構冗談を言うタイプなので、てっきりからかっているだけだと思っていた。

しかしスタートしてびっくり。

あっ、冗談じゃなかったんだ。

キャンプ地から見ると切り立った崖で歩けるような道ではないと思っていたが、実際に行ってみるとそれほどではなかった。ちゃんと道がある。

 

とはいえ、たくさんの荷物を抱えたポーターさんたちは大変。

改めて見てもすごい写真だ。

この手前にいるのはジェームスなんだけど、巻いているバンダナが目玉の模様だったのですごく気になっていた。百目・・・。

ここはちょっとした見せ場。僕たちツアー客はポーターさんに歓声を送るので皆、笑顔で張り切る。

ジェームス撮影。まだまだ先があるねえ。なんて言ってる。

背を向けているが本当は反対向きに進むのが正しい。

この岩、キス・ザ・ロック?みたいな愛称があるらしい。(正確には忘れた)

岩を抱きかかえるようにしないと通れないのでそのような名前になっている。

ジャームスがやたらチューの唇をしてからかってくるので、のっかって何度も岩にキスしといた。

やっと崖の上にたどり着きみんな休憩を入れる。

だいたいみんなスケジュールは同じ。

こんな装備のポーターさんもいた。スマホからは陽気な音楽が流れている。

崖を超えると一転だだっ広い穏やかな道が続く。気持ちのいい道だ。

ここが水を補給できる最後の場所。

そしてお昼時。

ここは通過。ベースキャンプはもう一つ上のキャンプ地だ。

 

ここでお弁当を食べる。マーマレードかな。甘いクリーム。

腹ごしらえを済まして歩く。この辺りになるとひたすら登るだけになる。

午後からは大体ガスが発生し、気温も下がる。

海外のチョコってやっぱり大味なんだよな〜。

食事の量が多いこともあって、登山前に買った大量のお菓子はほとんど消化せず。

ワシワシと脚を動かし続ける。登りばかりとはいえ、さほどしんどくはない。

ただ、すでに結構な標高のはずなので呼吸は深くするように注意していた。

霧の先にやがて見慣れたプレートが見えてきた。

ベースキャンプ到着

バラフキャンプに到着。16時くらいだったかな。ここで、標高4673M。

 

ポーターさんが暇つぶしにやっていたゲーム。

ルールはよくわからなかったんだけど囲碁とオセロが混ざったようなものみたいだ。コマは何かの蓋だった。

霧がすごい。そしてやはり寒い。

少し早めのディナー。今日もマカロニだ。美味しいんだけど相変わらず量が・・・。

食後も寒いのでテントの中で過ごす。

 

陽が落ちてきた。暗くなってくると、いよいよだな〜と少し緊張が増してきた。

山頂アタックのあとはまたここに戻ってくるのでザックの中を整理しておく。

絶対忘れちゃいけないのが防寒着。

さて、0時に出発なので23時半に腕時計のアラームをセットして就寝。

疲れもあるからか、すぐに眠りにつけた。

山頂アタック

寝過ごすことなく予定通りに起きれた。高山病の兆候も全く出ておらず、体調は全く問題ない。

テントの中で、今まで履いていたタイツより、さらにあったかいものに履き替え防寒着も着込む。

フェイスマスクをしたのは生まれて初めてだ。

準備オーケー。いつでも行ける。

しかし、準備に手間取っているのか、ジェームスがなかなかテントから出てこない。

ただ待つのも寒いし、嫌なので三脚を立てて写真を撮って待とう。


結構みんな先に行っちゃった。

ジェームスがダウンを着込んでテントから出てきた。出発だ。

スタートが遅れたが別に問題はない。


 

道は一本道で広くないので富士登山のように渋滞が起こる。しかし富士山ほど人はいないのですぐにばらける。

僕とジェームスはペースが早めだったので、結構抜いて行った。

どのくらい登ったのだろう。

登る前は全く平気だった体調に変化が出ていた。

頭がぼーとしている。最初は暗闇の中ヘッドライトの光だけ見てのぼっているからかな?と思っていたが、どうやら違う。なんだかおかしくなってきた。

何がおかしいって、自分がここに足を出す、頭で無意識にイメージする靴の着地点がずれるのだ。なんだこれ。

ふらふらする。そうか・・・酸素が薄いとこうなるのか。

幸い頭は痛くない。休憩して座ると幾分かは頭がはっきりする。

しかし登り出すと頭にモヤがかかったように何も考えられなくなる。

ただ、ひたすらにヘッドライトの光をみて脚を動かすだけだ。

もう何がなんだかわからないままで登り続けていると不意に標識が現れた。

「ミノール、ここがステラポイントだ」

ステラポイントまで登るとほぼ登りはおしまい。あとは回り込んで山頂を目指すだけだ。

道が変わった。雪が増え、逆さのつららのようになった場所の隙間を縫うように歩く。

もう何も考えられなくなっているのでジェームスの背中をふらふらと追いかけるだけだ。

不安定な道で、少しよろけた。それだけなのに身体が立て直せない。軸みたいなものもすでになく、握ったストックに体重を預けっぱなしだ。

こける。

そう思った時、後ろからガシッと身体を支えられた。

気づくと真後ろにでかい白人さんがいた。助かった。

しかし、僕はその時、まともに「サンキュー」も言えなくて小さい声で呟くのが精一杯だった。

やがてヘッドライトの光の先に標識が現れる。

ウフルピーク。頂上だ。

思わず声が出る。ちょうど僕とジェームス、先程助けてくれた欧米人とそのガイドさん、四人で叫びながら抱き合う。

気づくとぼーとしていた頭はスッキリしていた。不思議なものだ。

そして夜が明ける。

5895mからの日の出だ。忘れないぞ。

よし、頂上は堪能した。長くいるのも寒いので下山することに。

あっという間の下山

明るくなったからやっと分かったが、こんな道だったのか。

 

砂地なのでザザー、ザザーと滑るように降りれる。

登りはあれだけ苦労して登ったのに下りは本当にあっという間だった。

テントに到着。

このあと朝ごはんを食べて、下山することに。

と言ってもベースキャンプから下山のゲートまで20kmある。

それをハイペースで一気に降りた。

昨日からいったいどんだけ歩いてるんだろう。考えるの怖い。

流石にゲートまで来た時は脚にきていた。

これにてキリマンジャロ登山は終わりだ。

思い返せばあっという間の五日間。

ポーターさんやコックさんがつく登山スタイルなんて初めての経験だったが、なんにせよ無事に登頂できたので思い残すことはない。

主にツイッターにいます→@kenihare 無言フォロー嬉しいです。