氷の花を探しに高尾山へ

氷の花とは、シモバシラという植物の冬の姿である。

まずは見てもらおう。

この不思議なシモバシラ。シソ科の植物で、秋は可愛い花を咲かせている。

どういう原理でこのような氷の花ができるのか。

シモバシラ自体はこのような鈴なりに咲くタイプの花だ。

これが冬になると枯れてしまうが、地中の根は土の中でしっかりと生きているのだ。

その根が吸い上げた水分が茎から放たれ、外気の寒さで凍っていく。

それが繰り返され、気温の低い夜の間に見事な氷の花が形成されていくわけだ。

シモバシラを初めて知った時、「氷の花」という言葉にどことなくファンタジーを感じたのを思い出す。

これが身近な高尾山で見れるのだ。ほかに東京近郊では御岳山でも見れるし、意外にみなさんの身近なところで見れるはずだ。

シモバシラを見れるのは、外気が氷点下に下がる時期。だいたい12月下旬あたりから1月中旬くらいまで。根っこ自体が凍ってしまうと、もう見れななくなる。僕にとっては冬の風物詩だ。

今回は、まさに年末、12月31日の高尾山に見に行ってきた。

シモバシラが見れる場所も惜しげもなく教えるよ!

大晦日の高尾山

高尾山口駅はリニューアルしてほんと綺麗になったね。

始発で来るつもりだったのだが、見事に寝坊した。しかしまだ眠い。

12月31日の高尾山なんて誰もいないだろと思いきや、何人かいた。

みなさん、登り納めといったところだろうか。

シモバシラが観察できる目的地は高尾山山頂より少し過ぎたところ。

その前にまずは高尾山に登らなければならない。

さて、この朝早い時間はもちろんケーブルカーは動いていない。つまり登るしかないのだ。

いくつか登るコースがあるのだが、稲荷山コースを選ぶ。理由は山道が楽しいから。

みんなどこへ向かうのだろう。陣馬山まで行くのかな。

道中にトリックアート美術館の看板が増えていた。デート写真をメインに据えているがそれはどうだろうか。

ほどなくロープウェイの「清滝駅」につく。ロープウェイで登りたい本音は隠しとこう。

立派な門松が準備されていた。そうなんだよ。今日は大晦日なんだよ。

きっと今夜から多くの人が訪れるのだろう。おそろしく混みそうだな、なんて思いながら登山口に向かう。

稲荷山コースの登山口はここを左に曲がる。

最初は階段だからちょっとしんどいかも。

ただいまの時刻は7時前。スタートだ。

2018年を振り返りながら登る

最初の階段を登り終えると早速コース名の由来、稲荷が出迎えてくれる。

高尾山だからと舐めてはいけない。道中の安全を祈願し手を合わせてから進む。

ちなみにここのおいなりさん、顔がない。

「登山道より階段の方がしんどい」ってのはあるあるなのかな。

奇しくも大晦日に山登りをすることになったな。

歩いている時は色んなことを考える。

年末だからと言って、あまり特別感を出したくないなと毎年思っているのだが、なんとなく今年一年を振り返ってしまう。

2018年を一言でいうと、ブログを書いてたら色んな人と新しく出会えた年だったな、と思う。

1月に台湾の記事が初めて自由ポータルに載った。それがすごくうれしくてね。

朝の光は金色に山道を照らす。

それ以来、味をしめてしまい、飽きっぽい性格なのになんとかブログは続いて。さらにそのブログ経由で色々な人と知り合うことができて。

2018年の正月に立てた目標は半分くらいしか成せなかったけど、秋には念願だったキリマンジャロにも登ることができた。

なにか他に新しいことしたかな?・・・特にしてないか。

会社の仕事は?う〜ん、さほど大したこともしてないな。評価も可もなく不可もなくだ。

あれ?こんだけ?そんな成長してなくない?

2018年。振り返ってちょっとびっくりしたよ。

しかし、いろんな人と出会えただけで良い一年だったと十分言えるな。実際ただサラリーマンしてるだけじゃ新しい友達なんて増えなかったからね。

よし、胸はって言おう。2018年はいい年だった!

ここでだいたい中間地点。

東屋に到着。八王子の町並みが見渡せるスポットなのでしばし休憩をとる。

目を凝らせばスカイツリーが見えるよ(中央少し右の針みたいなの)

さて、休憩もそこそこにすぐに歩き出す。

実は内心焦っているのだ。シモバシラは朝でないと見れない。気温が上がると溶けてしまうからだ。

犬を連れて登山してる方はたまに見る。出会うとかなりほのぼのするのだ。

実はもう一つ懸念事項があった。

今日、思ったより寒くない。

シモバシラは凍ってできるもの。暖かいと話にならない。

これは霜柱。みんなすぐ踏んでクシュクシュ鳴らすやつ。漢字とカタカナの違いでややこしい。

頂上近くで花じゃないほうの霜柱を見つけてちょっと安心した。これが出来ているということはおそらく大丈夫なはずだ。

この階段を上ると頂上。

僕は格言のようにいつも言っているが、登山は最初と最後が一番しんどい。

知らない子供たちは競争しながらダッシュで階段を駆け上がっていく。その元気、僕におくれ。

さすがにほぼ人はいない。午後から増えて来るかな。

頂上に到着。時刻は8時くらい。焦るあまり、かなり早いペースで登ってきた。

富士山が綺麗に見えた。空気の澄んでいる冬はこれがいいよね。

氷の花、シモバシラ

実のところシモバシラがある場所は、頂上からほんの5分くらいの場所なのだ。

ゆっくり休憩するのは後回し。頂上を超えて奥高尾の方へ進む。

僕がまだ山登りを始める前。初めて高尾山に来たときに思ったこと。

「なんで本格的な登山の格好した人がこんなにいるんだろう?」

高尾山自体は正直、スーツでも登れる山だと思っていたからだ。

自分が山に登るようになって分かったのだが、そういうちゃんとした格好の人は、高尾山の頂上が目当てではない。

さらに奥の景信山や陣馬山まで行くのだ。高尾山は通過点、もしくはスタート地点でしかない。それゆえのちゃんとした格好なのだ。

頂上からこの階段を降りる。

六股?くらいある無茶苦茶な分岐点に出る。

これを矢印の方へいくとシモバシラが群生しているのだ。

巻道に入るとこのような道になる。

こういう斜面にあるはずなんだけど、果たしてどうかな・・・?

気温ちょっと高いしな・・・

あったー!

よくみりゃそこら中にある!

こんなにたくさんできているのは初めて見た。

いつも旬を過ぎた一月に入ってから、ああそうそう、シモバシラを見に行かないと……なんて重い腰だったのだ。

なんてことだ。来年から見るなら年内に来よう!

透き通る氷が花を成す。

まさに氷の花。

ここにいっぱいあるのが分かりますかね。

シモバシラ、結構注意しないと気づかないかもしれない。

僕が初めてシモバシラを見たのは御岳山だった。

その時は捨てられたティッシュだと思って、通り過ぎてしまったほどだ。

ほら、山ってよくカピカピのティッシュが捨てられてるじゃないですか。正直、あれにしか見えなかった。知らなかったらきっと気づかないと思う。

では、写真をたくさん撮ったので見てみましょう。というか、見て欲しいのだ。

すじ状になるのは茎のそれぞれの穴から水分が出るからだろう。羽のようだ。

こんなに大きいの初めて見た。

シルクのような質感。ダメだけど触れて見たい衝動にかられる。

知っている人は知ってるので、がっつり三脚を構えて撮影する人もちらほら。

この斜面だけなく、道の反対側にもあるのでキョロキョロしながら進む。

うわあー。ここは大物がたくさんある!

曲線を描くのはなぜだろう。重力?

サランラップをぐるぐるに巻いたらこんな感じだった記憶がある。

水飴。

かまきりの卵。

これはぐるっとリングのようになっている。

もう至るところにある。フィーバー。

この透き通る繊細な花びら?がほんと綺麗で。

この三角になっているのを写真ではよく見る。ベーシックな形かもしれない。

堪能である。寝坊したけど起きれてよかった。

むちゃくちゃ写真を撮ったので載せる写真を選ぶのが大変だった。

最後に

昼くらいには溶けてなくなる。そしてまた夜のうちに氷の花を咲かせる。なんと儚いことか。

高尾山のシモバシラ、案外知らない人も多いのかもしれない。

頂上まで行く人は結構いると思うんだけど、それだけだともったいないな、と思ってしまう。

頂上からほんの5分くらい先に行くだけで見れるのに。

※シモバシラのある場所より、奥に進むならきちんとした装備が必要です。

こんなに大きくてたくさんのシモバシラが見れたのは初めてだ。かなりテンションが上がってしまった。

★時期は12月下旬から1月中旬くらいまで。

 

★場所は頂上から奥高尾方面に下りてすぐ。巻道の斜面。

 

★時間は朝早ければ早い方が良い(気温が上がると溶けるので)

だんだん茎も弱ってしまうので早いタイミング、できれば年内の方が大きくて綺麗なシモバシラが見れるはずだ。

注意事項としては、見るときに斜面の中には立ち入らないようにすること。もちろん触ってもいけない。

高尾山のビジターセンターや山レコなどからシモバシラの情報は得ることができるのでチェックしてから行こう。

参道では年末年始の準備が始まっていた。今夜から大忙しだろう。

僕はすれ違う人、全員に「今シモバシラ、めっちゃ綺麗ですよ!」と教えたい気分だった。

主にツイッターにいます→@kenihare 無言フォロー嬉しいです。


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